2022年12月31日 (土)

はやいもので、今年も年末となりました。(今年は令和4年、西暦2022年です)

今年も多くの方と出会えましたこと、そして多くの機会に恵まれましたことを感謝申し上げます。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、対面でお話しする機会が激減しておりましたが、多くの方々と、はじめまして、や、お久しぶりです、と言葉を交わしながら対面でお話することができました。特に、異分野で活躍される方々と、知識を共有できましたことが今後につながっていくと実感できる1年でした。

名刺交換をしてくださった方々の中には、私のこちらのホームページを閲覧し、私のつぶやきを丁寧にお読みくださった方々も多くいらっしゃいました。本当に有り難い事で、感謝です。来年は、頑張って更新していきたいと思いますので、思い出したら閲覧してくだあいますと幸いです。

※なお、セキュリティ強化の為、Google等の検索エンジンを使って「松永真由美」を検索しても本ホームページはヒットしない設定にしています。静岡大学などの研究者情報Webに掲載の本ホームページのURLリンクからたどってください。

学内イルミネーション

12月になると、学内の木々をLED照明で彩る学内イルミネーションが始まります。国立大学の場合、広報不足もあって、このイルミネーションの企画意義が理解されていないのが現状です。そのこともあり、今日はこの学内イルミネーションについて書きたいと思います。

私が静岡大学に移動したのは2021年4月ですから、それ以前の事は知りませんが、昨年12月頃もLEDイルミネーションが静岡大学浜松キャンパス構内を彩っていました。その頃、学生さんにこんな事を言われました。「あれって何なんでしょうね?何故あのような事にお金をかけるのか理解できない。無駄だと思うのですが」といった内容の言葉をかけられたのです。

【写真】2022年12月の静岡大学浜松キャンパスイルミネーション↓

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このイルミネーションは、「コロナ禍にあって、早期の終息と学生、教職員のみなさんの心が温まるよう、浜松工業会様(同窓会組織)の助成を得て今年もイルミネーションの点灯を行うこととなりました。」とのことです(事務方からの連絡を引用)。

【写真】そういえば、2017年4月から2021年3月まで私が勤めていた大学も学内イルミネーションを実施していました。↓

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こちらは企画意義は公表されていなかったように記憶していますが、この時期学内を歩いていると、「あ~あ、この設置費用に高い授業料が使われている。こんな事に使って欲しくないよな~」と大きな声を出す学生さんもちらほらいました。

きっとですが。。。

新型コロナウイルスが蔓延したり、経済状態が悪化したり、気持ちがすさむ今日この頃、暖かな光が少しでも人々の心を柔らげる助けになれば、との願いを込めたイベントなのでしょう。そういう意味では、お金の事が気になる人々にも、「何これ?」と「疑問」という刺激を与えたことになるのかもしれませんね。

お金が何に使われるのか?それが気になって仕方なく、これを「無駄だ」と思ったのであれば、あなたの力で「有益」なことに変えてはどうでしょう?(ちなみに、私は賛成派でも反対派でもありません)

電気電子工学科の学生さんや研究者であるのならば

  • LED照明に白が多い理由
  • LED照明から発生する電磁波ノイズとその影響
  • 光が人間の心理へ与える影響と効果
  • LED光により化学変化をもたらす物質(つぶやき:ジェルネイルを読んでね)

などを考えて勉強すると、有益な時間になるのではないかと私は思います。

それでは皆様、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします!

2022年12月28日 (水)

学生さんへ向けてのメッセージです。

緊張症を言い訳にしないで!

中間発表を終えて(詳細は、学生活動:中間発表2022を)学生達と反省会をしました。

良かったところも明確にする必要がありますが、改善すべき点を皆で議論し、これからにいかす事が重要です。何故改善すべき点が発生したのか?どうすれば改善するのか?今後改善を図るにはどのような努力が必要か?などについて皆で議論します。

学生達にとって、改善すべき点の指摘は、ダメだしに相当しますので、受け止めるのが難しい学生さんも多くいます。「自分なりには理由があったのだ」と理由を並べ立て、自分の正当性を主張する学生さんもいます。うなだれて「自分はダメだ」と落ち込む学生さんもいます。「先生が言ってるだけで気に留める必要はない」と背を向ける学生さんもいます。しかし、こんなことをしていると成長は見込めないのです。

改善すべき点を明確にし、そして、どうやって改善していくかを考えるのが成長だからです。

中間発表の様に人前でのプレゼンテーションを伴う審査を通じて、改善すべき点を指摘すると、決まって「緊張していたから」と言い訳する学生さんがいます。今日はこの「緊張」を言い訳にしても何も解決しないことを説明したいと思います。

まず申し上げたいのは、ここでお話する「緊張していた」と言い訳する学生さんですが、制限時間内に、途中でたじろぐ事も無く、研究内容について発表していますし、質疑応答にも、黙り込むこともなく自分なりには回答しているのです。本人の心理状態としては緊張は伴っていたのかもしれませんが、気絶したり、何も言葉が出てこなくなったり、といった緊張状態は全く見受けられない場合の話です。

あそこで何故あのような質問が出たのかな?その質問の意図は理解していた?あの返答で質問者は納得したとかな?

と問うと

緊張していたので分かりません。緊張していたので覚えていません。緊張していたのであのような返答をしてしまいました。緊張していたので。。。。

これって「緊張していた」を理由にして、向き合うべき問題を避けているだけなんです。

「緊張していた」を言い訳にする学生さんに私は問いたい。「緊張が改善すれば、あなたの発表内容から改善すべき点は無くなるのですか?」

緊張感は良い物ですよ。集中力が高まりますし、日頃よりも力が出る場合もあります。

緊張を言い訳に利用せず、改善すべき点を受け止め、成長して欲しい

2022年12月27日 (火)

皆様、「ジェルネイル」をご存知ですか?

また、ネイルアートの一種だとご存知の方も、その原理をご存知ですか?

工学部電気電子工学科の電磁波研究室のホームページで「ジェルネイル」?と思ってらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、そう短慮に判断せず読んでくださればと思います。

最近は日本でも爪のお手入れを欠かさない人が男女ともに多くなってきました。ネイルサロンへ行くと、男性のお客様が爪をピカピカに磨いてもらっている姿もよく見かけるようになりました。

私もネイルサロンでは主にネイルケアといって、お手入れを重視する施術を受ける事が多いのですが、たまにはカラーリングやネイルアートを楽しみたいと思います。

しかし、マニキュアはすぐに剥がれてしまいます。特に、実験を通じて手先を使った細かな作業をしたり、重たい測定機器を設置したりすることが多い私の場合、マニキュアはあっという間に無残に剥がれ落ちます。そんなマニキュアに代わり約2010年頃からでしょうか、「ジェルネイル」というものが流行だし、よくお勧めされるようになりました。今では多くの方が毎月のようにジェルネイルを楽しんでらっしゃる様子。私も体験したいなぁ~と思っていました。

新しものが大好きで、良い物は誰よりも早く体験したい私が、珍しく手を出さなかった「ジェルネイル」。理由は簡単です。ジェルネイルという名前からは、その原理が全く分からないからです。ネット検索をかけても、原理の詳細を説明をしているページはなかなか見つからない。単に、マニキュアより長持ち!早く乾くので施術時間が早い!綺麗!って書いてあるばかり。。。

そんな私にようやっと「ジェルネイル」の謎が分かる出来事が訪れました。

ジェルネイルとは、光硬化性樹脂だったのです!

主に、紫外線や可視光が使われているようです。(ここで電磁波との関連性が出てきましたね!)

この光硬化性樹脂、工業分野では大活躍。例えば速乾性の接着剤や3Dプリンターの造形樹脂としても使われています。最近は、歯科治療でも歯の修復や補強にも頻繁に使われています。

「ジェルネイル」なんて呼ばずに、「光硬化性樹脂」だって言ってくれれば、すぐに理解できるのに~と思った私。まぁ、ちまたでは、そんな名称で売り出しても売れないかもしれませんね、笑。

納得すると、早速興味がわき、年末年始だし、体験してみることにしました。

実際、爪に与える影響は気になるのですが、その速乾性といい、その発色といい、剥がれにくさといい、マニキュアとは全く違う、全くの別物です!(そもそも物性が違うので別物なのですが。。。)

爪も強化されているせいで、いつものように重たい測定器を設置したり、細かな作業をしても、爪が割れない。

これで、爪への化学的影響と、取り除くときの手間が無ければ最高なんだけどなぁ~とすぐに思いました。だって、現存の光硬化性樹脂は一旦硬化すると、液体には戻らない不可逆な硬化過程ですから、剥離は困難なのは常識。ネットでネイルサロンにおける硬化した樹脂の剥離方法を調べても使用する詳しい薬剤もその原理も書いてない。。。

いやぁ、ジェルネイルに限らず、何においても、使用する薬剤とその原理について自分なりに理解した上で利用したいですね。

いろいろな事を勉強し、それを自分なりに理解する能力に使う事ができれば、トラブルを避けることができたり、トラブルを解決したりできますよ!

私の場合、ジェルネイル一つにしても、素晴らしい技術に触れる楽しい機会です!

2022年12月26日 (月)

M1(大学院修士課程1年生)の中間発表が無事修了しました。

修士課程学生に対する中間発表(M1対象)は実施する大学としない大学があります。最近は、多くの大学で実施しているようです。その理由は、研究室活動を実質化するためです。

工学部をはじめとする多くの理系の学部学科では、大学院の学生は研究室に所属し、所属した研究室が進めている研究活動に参加しながら高度な専門的知識と経験を積みます。工学部の人々は「研究室活動」と呼びます。ちまたではゼミと呼ぶ人のいますが、日本の工学部ではゼミとは呼びません。

大学院生の主な活動は、この研究室活動です。研究室活動を通じて得られた成果を論文にし、この論文内容が各課程(※1)の合格基準に達していなけえば、課程を修了(卒業)することができません。

一昔前(2000年頃)までは、この常識(大学院生というのものは各課程の論文(修士論文もしくは博士論文)を執筆するのが主な仕事であり、論文を書くためには、自主性をもった研究活動を行い、独自性のあるテーマで、学術的に新規的かつ重要な研究内容について、学術誌掲載レベルの論文執筆技術を持たなければならない)が分かっている人が大学院に進学する事が多かったので、毎日研究室へ通い、日々研究室活動に勤しむことは当たり前でした。

しかし、2010年頃から諸般の理由で、この常識が大学院生にとって当たり前ではなくなり、研究室活動を授業の一環として時間割に組み入れたり、成績評価を実質化したりする必要性が高まりました。中間発表も、一般的に2年間でプログラムされている修士課程の1年目の成績評価のために、多くの大学で実施されています。

この諸般の事情の中には、学生さんの意識(保護者の意識も含まれる)への働きかけが大きいと思います。時間割に組み入れられていないと、「何故、研究室へ毎日通い勉強する必要があるのか?」と思う学生が増えてきたからです。このような学生は、大学学部1年生の頃と同様に、授業だけ出席し、それ以外の時間は全てアルバイトや趣味などのプライベートな時間として過ごしてしまい、2年経過した頃に「修士論文を提出してください。提出しないと課程を修了(卒業)できませんよ」と言われ、そこで初めて、前述したようなプライベート時間ばかりの大学院生生活を送っていると、課程が修了できないことに気付くのです。とはいえ、授業レポートと同様に一晩徹夜すれば書けると気楽に考えている学生さんもいますが、一夜漬けのレポートで合格できるほど甘い審査ではありません。

前置きが長くなりましたが、中間発表は、学生さんが計画的に2年間の研究活動を進める為にあるのです。計画的に進んでいるか?1年目の経過として2年目に卒業できる見込みが立つか?などを実質的に評価することで、前述したように、2年もの時間をほぼプライベートに過ごし、終盤になって「あれ」ということにならないようにするのです。

松永研の3名のM1ですが、それぞれに1年間の努力が結果に表れた発表となりました。今日からが修士課程の折り返しです。丁度1年後には修士論文の提出と発表があります。そこへ向かって頑張ってください!

※1:ここで各課程とは、修士課程(博士前期課程)と博士後期課程の事を指します。大学院へ進学する多くの学生さんは、修士課程の修了および修士号の学位取得をもって企業等に就職しますので、一般的に大学院卒業と言えば、修士課程修了を指しています。大学の先生など、より高度な知識を必要とする職業に就くには、博士後期課程を修了し博士号の学位を取得する必要があります。ちまたでは、あそこのお子さんMBAを持ってらっしゃるんですって、とか、私はMBAを持っている、と誇らしげにおっしゃる方をみかけますが、このMBAとはMaster of Business Administration の略で、経済学の修士号のことを指します。ですから、この学位をお持ちの方々は、経済学に関する大学院の修士課程を修了されたということになります。