2023年12月31日 (日)

つぶやき:ありがた迷惑なお節介

2023年最後につぶやきたいこと、それは、「ありがた迷惑なお節介」についてです。今年は何度も本話題に関連するつぶやきを書いてきました。人との関わりにおいて、最も注意しなければならないこと、それは、「ありがた迷惑なお節介をしないこと」だとつくづく思いました。

よく目にする具体的な例です。

夫が妻に相談もせず、この選択が妻にとって一番だと勝手に決めつけて、大きな決断(例えば家を買うなど)をしてしまう。妻が夫に対し、「この決定は自分にとっては色々と問題がある」と言うと、夫は、「君のために一生懸命考えて下した決断なのに、それを君はむげにするのか!」と怒り狂う。妻は、「決断をする前に、私の意見を聞く機会、つまり話し合いが必要だったのでは?」というと、夫は、「いいから言うことを聞け」と言い出す。

これは夫と妻が入れ替わっても、そして、夫と妻ではなく、同僚であったり、上司と部下であったり、そして、友人同士であったりしても、同じ事です。

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要は、他者が関わる問題であるにも関わらず、その他者の意見を聞く機会(話し合い)を設けず、勝手な思い込みだけで物事を決定したり判断したりすることが、そもそものトラブルの原因である、ということです。先の例で言えば、夫は「妻が夫の決断に難癖をつけた。困った妻だ」と、妻が反論したことがトラブルの原因だ、と主張する場合が多いです。この様な考え方は間違っています。妻は、自分も関わる事柄について何の相談もしないことを問題視しているだけで、トラブルの原因は作ってはいません。更に、この例では、夫が、「君のために考えてしたことだ」と主張したり、最後には「言うことを聞け」と言い出したり、傍若無人な態度をとっています。これはまさにハラスメントです。もう一度言います、そもそも、他者も関わる問題であるにも関わらず、全く相談もせず、勝手な思い込みで事を進めたり決定した事が問題なのです。それに対し、自分の意見も聞いて欲しいという行為は、何も間違っておらず、むしろ、積極的に主張すべきことです。そして、勝手な判断をした者が、勝手な判断をしないで欲しいと言った者に対し、「トラブルを起こす気か」と言ったり、「あなたのためだ」と主張したり、ましてや「言うことを聞け」と相手を封じ込めようとしたりすれば、それはハラスメントになる、ということを覚えておくべきだと思います。

長く生きていると、人と関わる事が嫌になることも多いです。その結果、人と関わる事を拒絶してしまう人も多くいます。しかし、社会というのは人によって構成されており、生きるということは、人と関わっていくということなのかもしれません。そう考えれば、少しでも円滑なコミュニケーションができればと思うのは当たり前です。しかし、これまでは、円滑な人間関係のために、勝手な判断で話し合いもせず事を片付けようとしたり、その勝手な判断に対し反論をすることをタブー視したりする傾向が強かったように思います。しかし、そもそも、他者が関わることに勝手な判断を下し、それを押しつけようとしたことが問題なのです。

面倒くさいと思う人も多いでしょう。しかし、前にも申した通り、「手を抜いたら手がかかる」のです。ほんの少しだけ面倒くさがらず、関わる他者の意見にも耳を傾けてみてください。そうすれば、もっと人との関わりが楽しくなるかもしれませんよ。