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2022年1月13日 (木)

学生さんの受賞報告です。

電子情報通信学会マイクロ波研究会が開催しているマイクロ波回路設計試作コンテストにおいて、松永研究室の笹川さんが特別賞を受賞しました。今年のお題は「バラン設計」でした。

とはいえ、バランって何?と思う方も多いと思います。丸いループ形状をした室内アンテナをテレビに取り付けた経験のある方なら「黒くて、平たくて、2本より導線がでる」フィーダーと言えば、なんとなく見覚えがあるかも?しかしながら「僕、テレビ見ないんで」と日常的に学生が口にする時代、バランを手にとる機会は無くなってしまったのかもしれませんね。

同軸ケーブルから2線フィーダーへ変換する回路もしくはケーブルのことを「バラン」といいます。ここでは詳しく説明しませんので、ご興味のある方は、私の講義を受講してくださいね!(一般、技術者、高校生向けなど各種講習会の講師もしています)

笹川さんの設計したバランは、コモンモードと差動モードとの挿入損失の差が極めて高い事が評価されました。審査委員からも賞賛の声があがる程の性能でした。

詳しくは、静岡大学のホームページに掲載されています。

https://www.eng.shizuoka.ac.jp/articles/view/hama2022011302/

以下、上記のURLが消失した場合に備えた記事内容控えです(上記URL有効中は同じ内容です)

笹川泰雅さん(工学部/松永研究室)が電子情報通信学会マイクロ波研究会2021年度学生マイクロ波回路設計試作コンテストにて「特別賞」を受賞しました。

 

 工学部電気電子工学科4年生の笹川泰雅さん(松永研究室)が、電子情報通信学会マイクロ波研究会が主催する2021年度学生マイクロ波回路設計試作コンテストに参加し、優秀な回路設計をしたとして「特別賞」を受賞しました。

このコンテストは,電子情報通信学会マイクロ波研究専門委員会が,マイクロ波産業の将来を担う学生に「ものづくり」に対する興味を一層深くしてもらうことを目的として毎年開催しています。今年は、より性能が高く、より小型の「平衡-不平衡変換器(バラン)」設計に挑みました。性能や、回路設計の独創性などについてマイクロ波専門委員により厳選なる審査がなされた結果、笹川さんの設計したバランは、「不平衡側-平衡側間の、コモンモードと差動モードとの挿入損失の差」が極めて大きい点が高く評価され受賞に至りました。

(写真)一緒に参加した研究室メンバー(金森さん(左)と足立さん(右))と一緒に受賞を喜ぶ笹川さん(中央)2021

(写真)賞状 _2021

・2021年度学生マイクロ波回路設計試作コンテスト

https://www.ieice.org/~mw/contest/2021/index.html

・静岡大学工学部電気電子工学科松永研究室

https://mmayumi.lekumo.biz/jp/

2019年2月 4日 (月)

皆様お久しぶりでございます。更新を楽しみにしてらっしゃる皆様、昨年は、諸般の事情でなかなか投稿ができず、申し訳無い事でした。松永、元気にしております!

本日、2018年度卒業論文発表会を無事終了する事ができました。本件へ、ご協力くださいました方々、心より感謝申し上げます。そして、松永の厳しーい指導にも耐え、何とか発表会へこぎ着ける事ができた学生の皆様、お疲れ様でした!

卒業予定者(学部4年生)12名および松永研配属済みの3年生の集合写真です。

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2018年3月 1日 (木)

すみません、下書きから1年経過してのアップです。アップするのをすっかり忘れていました(笑)去年は寒かったですねぇ~!

立春も過ぎ、暦の上では春だというのに、今年は寒いですね。先月から、本学でも様々な種類の入学試験を実施しています。受験生の皆様も体調管理には十分に気をつけてらっしゃると思いますが、見るからに具合の悪そうな生徒さんを見ると、試験監督をしているこちらまで気の毒になってしまいます。皆様どうか、お風邪など召しませんようにお過ごしください!

今週は、共同研究へ向けた打ち合わせも兼ね、JAXA相模原キャンパスへ見学に行きました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)といえば、どんなイメージがありますか?「宇宙兄弟」、「宇宙飛行士」、「ロケット」といろいろなイメージが持ってらっしゃると思います。

以下の写真は、月面上を無人で移動するで月面ローバーです。その向こう側、展示室の屋根からつり下げられているのは、小惑星探査機「はやぶさ2」です。この写真をじっくりみると、松永研と関係のある部分が良く見えてきます(?!)写真では良くわからん、という方は、相模原キャンパスの展示場へLet's GO! 一般の方も見学できます!

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 松永研では、無人ローバーへのワイヤレス給電や、無人ローバーに搭載されるセンサリング技術、そして、はやぶさ2が地球と交信するアンテナの開発などに携わっています。

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2017年12月21日 (木)

今日は、マイクロウェーブ展への出展報告をします。

マイクロ波に関する最新技術を多くの皆様に知っていただく事が、本展示会の目的です。とはいえ、「マイクロ波に関する技術」とはいったい何だろう?と思ってらっしゃる人が多いと思います。

例えば、皆さんがお持ちの携帯電話(スマートフォン)もマイクロ波に関する技術によってもたらされた物です。つまり、マイクロ波が、遠くにいる家族や友人達の持っている携帯電話と、皆さんの携帯電話とをつなげているのです。丁度、子供の頃によく遊んだ、糸電話の”糸”の役割をしているのがマイクロ波です。

マイクロ波は、そのほかにも私たちの身の回りの技術に多く使われています。最近では、電力も、コンセントからケーブルで得るのではなく、無線で得ようとする技術開発が積極的に行われています。

マイクロウェーブ展には、マイクロ波に関する最新技術が分かる展示が、国内外の沢山の企業によって出展されています。この展示会の特徴の一つに、大学展示コーナーがあります。日本国内でも、毎日どこかで展示会が開催されているのではないか、と言われるほど、多くの展示会が開かれていますが、その中でも、大学展示コーナーがある技術的展示会は少ないのでは無いかと思います。

松永電波工学研究室は、国内外の著名な研究室と肩を並べて、毎年、このマイクロウエーブ展に出展してきましたが、本年度からは、東京工科大学・工学部・電気電子工学科の松永電波工学研究室として初めて出展しました。

今年の展示の目玉は、

1:大きく離れた2つ以上の周波数で利用できるアンテナ

2:次世代移動通信(5G)を見据えた電波伝搬解析

の二つの研究成果でした。

大変多くの来場者が松永研のブースにお立ち寄りくださり、これらの研究に対する関心の高さがうかがえました。その中でも、大変にうれしかったのは、東京工科大学の関係者の方々の訪問でした。卒業生の方々、保護者の方々などもお越しになりました。マイクロ波技術の知識に長けた人材育成に期待の目が向けられていることを実感しました。

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2017年12月 8日 (金)

2017年11月29日~12月1日にかけて開催されたマイクロウェーブ展へご来場くださいました方々、ありがとうございました。本年は、大学移動に伴い、卒研生・大学院生の受け持ちがなく、久々に、私一人でブースに3日間立ち続ける事になりましたが、本当に多くの皆様がお立ち寄りくださりましたこと、心より感謝申し上げます。

マイクロウェーブ展への出展は、半分私の意地で始めた事です(笑)

とはいえ、私が努力している姿を目にとめて下さる方も多く、松永自身も松永研もここまで成長する事ができました。沢山の出会いがありましたこと、ここで感謝申し上げます。

今年は3日間立ち続けると宣言していながら、途中で何度も休憩してしまい、休憩中にお立ち寄りくださった方々には申し訳ない気持ちで一杯です。

取り急ぎ、お礼申し上げます!

#3日目は、来年の卒研生予備軍の3年生が手伝いにきてくれました。来年の10月頃は、約23名の学生達が研究室に所属予定です。松永研にとっては過去最高の大所帯ですね。

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2017年10月 2日 (月)

すっかり秋めいてきましたね。

中秋の名月も数日後に控え、朝晩は肌寒さを感じる今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

マイクロウェーブ展の季節が到来しました。今年も松永研は出展しますよ!

とはいえ、初耳の方も多いかと思いますので、まずは、マイクロウェーブ展について説明します。

「マイクロウェーブ展2017」の詳細についてはこちらから。

マイクロウェーブ展とは、マイクロ波および高周波技術分野の展示会です。東京モーターショーなどの大きな展示会なら行ったことがある、なんて人も多いと思います。私の専門分野でも展示会が開催されており、国内外500社に迫る企業と約40の大学・高専等研究室の出展が予定されています。それぞれ、新製品・新技術・研究成果などを一堂に展示する予定です。

松永研は、大学展示コーナーへ出展します。2007年から出展を始め、今年で11年目を迎えます。今年は、初心に戻って、松永自身が展示ブースに立っておりますので、是非お立ち寄りください。

「大学展示コーナー」の詳細についてはこちらから

さあ、今年は何を展示しましょうか?

「電波を操る多才なアンテナ」や、「コンクリート壁からの表面散乱に潜む5G技術の落とし穴」などの展示を準備中です。皆様、是非マイクロウエーブ展へお越しください!

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2017年8月29日 (火)

そういえば、お知らせするのをスッカリ忘れておりましたが、

北海道大学情報基盤センター」が発行する「大型計算機ニュース」の「第43号」に私の記事が掲載されました。PDFでご覧いただけますので、こちらからダウンロードしてください。

松永研では、アンテナ開発の他、電波伝搬解析もやっております。

「電波伝搬」とは、その名の通り、電波がどのように伝搬(伝わって)いくかを解析したり実験したりする研究分野です。ご存じの通り、電波は目に見えません。見えませんが、そこかしこに飛び交っています。例えば、携帯電話の基地局を設置する場合、サービス提供エリアにおいて、きちんと通信ができるかどうかを確認する必要があります。そうしないと、サービスエリア内で通信性能が悪いエリアが出てしまうからです。では、目には見えない電波がエリア内にまんべんなく伝わっているかを確認するにはどうしたら良いでしょう?そこで、、電波伝搬解析の必要性が生じるわけです。

電波伝搬の世界は、携帯電話の電波の伝わり方に留まりません。宇宙からも電波が飛んできており(その話はまた今度)、その電波を捉える事で宇宙の不思議を解明する事ができます。しかし、宇宙からの電波の伝搬経路には、様々な物理的影響があります。例えば、電離圏は大きな影響を与えます。宇宙からの電波を捉え、宇宙で起こっている物理現象を解明するには、電離圏による影響を考慮して解析する必要もあります。また、電離圏による影響が分かれば、電離圏で起こっている物理現象も分かります。あまり意識して生活している人はいないかもしれませんが、電離圏がどのような状態にあるかを把握することは、私たちの生活に密接に関係しています。

もっと身近な例としては、車載レーダーがあります。最近の自動車には、可視光、レーザー、電波、ソナーなどいろいろな波動現象を利用したレーダーやセンサーが搭載されていますね。衝突を防止したり、車線のはみ出しを検知したり、車の周囲を歩く人を検知したり。これらの技術の基本にあるのも電波(電磁波)伝搬です。

電波伝搬の研究は、先ほど紹介した、「大型計算機センター」のスーパーコンピュータを用いたコンピュータシミュレーションも重要ですが、実際に電波を飛ばし電波を捉える実験も重要です。松永研は、この両方ができる、世界でも数少ない研究室です。

研究室を模索している学部生や大学院生向けの「研究室ガイド2017」をアップロードしました。

松永研究室に、過去に在籍していた学生さん達が作ってくれた研究室ガイドを、2017年度版へ改訂したものです。松永研では、毎年、学生さん達が、学生さん達の目線で研究室ガイドを作ってくれます。そして、オープンキャンパスや展示会(マイクロウェーブ展)などで熱心に配布してくれます。

松永としては、とてもうれしい事なのですが、あまりの熱の入りようで、時々照れくさくなる事もあります。

東京工科大学工学部の学生さんだけでなく、松永研の研究に興味のある方は是非読んでくださいね!

2017年6月28日 (水)

研究にご興味を持ってくださっている皆様

投稿しておりました論文が3本、論文誌に掲載されましたのでご報告します。

まず、1本目は、円偏波パッチアンテナに関する論文です。2.4GHzと5.8GHzの二つの周波数で得良好な円偏波を送受信するパッチアンテナです。しかも、給電点の設置方法により、それぞれの周波数の円偏波の旋回方向を自由に変える事が可能です。WPT用でも、WiFi用でも、いろいろな使い方ができるアンテナですので、是非お使いください。こちらの論文は、フリーでダウンロード可能です。ドンドン、ダウンロードしてください。

Mayumi Matsunaga(2017), A dual-band circularly polarized microstrip patch antenna with a cross shaped slot for 0.92/2.45 GHz RFID applications, IEICE Communications Express (ComEX), vol. 6, no. 6, pp. 259 – 264, June 1, 2017.

次に、先に紹介した、マレーシアで開催されたワークショップで発表したアンテナです。こちらは、隣接2周波で左右のそれぞれの円偏波を放射するアンテナです。例えば、同じ帯域内で少々周波数を振ると、左右の偏波を変えることができます。いろいろな用途で使えると私自身は思っており、ご興味あればお問い合わせください。ご提案します。こちらは、正式出版は9月で、現在、早期公開状態です。ダウンロードは有償ですが、研究者間であれば、別刷り送付できますので、お問い合わせください。

松永真由美、「隣接2周波でそれぞれ左右の円偏波を放射するクロス形状のループアンテナ」、電子情報通信学会論文誌B

最後にご紹介するのは、京都大学との共同研究の論文です。無線電力伝送の実用化に向けた研究成果です。こちらも、無料でダウンロード出来ますので、是非、ダウンロードください。

Takayuki Matsumuro, Yohei Ishikawa, Tomohiko Mitani, Naoki Shinohara, Masashi Yanagase and Mayumi Matsunaga, Study of a single-frequency retrodirective system with a beam pilot signal using dual-mode dielectric resonator antenna elements, Wireless Power Transfer, pp. 1-14, May 16, 2017.