2017年8月29日 (火)

北大の大型計算機ニュースに掲載されました

そういえば、お知らせするのをスッカリ忘れておりましたが、

北海道大学情報基盤センター」が発行する「大型計算機ニュース」の「第43号」に私の記事が掲載されました。PDFでご覧いただけますので、こちらからダウンロードしてください。

松永研では、アンテナ開発の他、電波伝搬解析もやっております。

「電波伝搬」とは、その名の通り、電波がどのように伝搬(伝わって)いくかを解析したり実験したりする研究分野です。ご存じの通り、電波は目に見えません。見えませんが、そこかしこに飛び交っています。例えば、携帯電話の基地局を設置する場合、サービス提供エリアにおいて、きちんと通信ができるかどうかを確認する必要があります。そうしないと、サービスエリア内で通信性能が悪いエリアが出てしまうからです。では、目には見えない電波がエリア内にまんべんなく伝わっているかを確認するにはどうしたら良いでしょう?そこで、、電波伝搬解析の必要性が生じるわけです。

電波伝搬の世界は、携帯電話の電波の伝わり方に留まりません。宇宙からも電波が飛んできており(その話はまた今度)、その電波を捉える事で宇宙の不思議を解明する事ができます。しかし、宇宙からの電波の伝搬経路には、様々な物理的影響があります。例えば、電離圏は大きな影響を与えます。宇宙からの電波を捉え、宇宙で起こっている物理現象を解明するには、電離圏による影響を考慮して解析する必要もあります。また、電離圏による影響が分かれば、電離圏で起こっている物理現象も分かります。あまり意識して生活している人はいないかもしれませんが、電離圏がどのような状態にあるかを把握することは、私たちの生活に密接に関係しています。

もっと身近な例としては、車載レーダーがあります。最近の自動車には、可視光、レーザー、電波、ソナーなどいろいろな波動現象を利用したレーダーやセンサーが搭載されていますね。衝突を防止したり、車線のはみ出しを検知したり、車の周囲を歩く人を検知したり。これらの技術の基本にあるのも電波(電磁波)伝搬です。

電波伝搬の研究は、先ほど紹介した、「大型計算機センター」のスーパーコンピュータを用いたコンピュータシミュレーションも重要ですが、実際に電波を飛ばし電波を捉える実験も重要です。松永研は、この両方ができる、世界でも数少ない研究室です。